HIKARI MARINE CUP プレ大会レポート

レース委員長 中村公俊

今大会は当初、記念すべき第1回大会として西日本を中心としたジュニア・ユース選手権とマリンスポーツや海に縁遠い方でも気軽に参加できるサップレースを併催するビッグイベントとして企画されていました。残念ながらコロナウィルス感染症の終息に至っていない現状を考慮し、県内で活動するジュニア・ユース選手のみを対象としたプレ大会として実施する運びとなりました。
プレ大会のトピックの一つは、多くの参加選手が初レースであったことから、最低限のルール設定とシンプルなレースコースを用いたことです。このアイディアは、必要以上に選手たちを緊張させることなく、セーリングを楽しむことに繋がったように思います。二つ目は、各カテゴリーに地元ゆかりのトップ選手をオープン参加者として招聘したことです。セーリングの凄みや美しさを肌で感じていただくことが狙いでしたが、蓋を開けてみれば初レースに苦慮する選手に対して伴走者としてサポート役に徹した招待選手もあり、通常の大会では決して見ることのできないセーリング愛に溢れた微笑ましい光景が描かれました。
レースは好天に恵まれ、平均風速も3m/s前後の軽風であったため、初レースに挑む選手にとっては最高のコンディションとなりました。光の海はマリンスポーツ愛好者にとって全国屈指の海域なのです。別途成績表に示すとおり、各カテゴリー優勝者は流石の走りと鋭いスタート、読みの深いレース展開等、レースの醍醐味を随所で見せてくれました。そして、セーリングを始めて1年未満の小学4年生をはじめとするレース初心者の皆さんが、勇気を持ってレースにエントリーし、フィニッシュするまで全力を尽くす姿は感動的であり、スポーツの尊さを再認識することができました。来年の本大会を迎えるにあたり、全選手が、今後ますます逞しく成長し、大会を盛り上げてくれるであろうこと、将来、招待選手たちのように世界を舞台に活躍する新たなセイラーが出現するであろうことを確信しました。
セーリング競技は、海という自然のフィールドを舞台に風や波を操る競技ですので、毎レースが変化に富み、選手はもちろんのこと、指導者や運営スタッフにまで総合的な人間力が高いレベルで要求されます。今大会では更に、コロナ禍、初のレース参加者多数、初のレース形式、不安定な軽風、という難しい条件下、ほぼスケジュール通りに予定の全3レースを無事に消化することができました。これは、選手、指導者、運営スタッフそれぞれが各自の準備を怠らず、危機管理とチームワークを発揮した結果に他なりません。改めて郷土の誇りを感じることができる素晴らしい大会となりましたことを報告させていただきます。